<反射(その5)>
テレビのアナログ放送が終了するまであと1週間をきりました。アナログ放送が無くなると聞くと古いアナログの時代は終わりと言うイメージを抱く方もいると思います。でも、デジタル放送と言っても電波はアナログだし、液晶画面を駆動するLSIもアナログです。“それでもアナログは無くならない”は、まだまだ頑張ります。
もう少しだけカメラの事を話したいと思います。フィルムカメラはフィルムの装填がものすごく面倒です。
- カメラの裏ブタを開けます。
真ん中にシャッターが見え、左と右に部屋があります。 - 左の部屋に撮影前のフィルムを入れます。
フィルムはパトローネという入れ物に入っていて、明るいところでも感光しないようになっています。 - フィルムを引き出して、シャッターの上を経由して右の部屋にある巻き取る軸にセットします。
- ふたを閉じて何枚か空撮りし巻き取りレバーを操作して、既に感光してしまっている部分を右の軸に巻き取ります。
図 2
例えば、実際の評価でなぜかエラーを発生してしまうLSIがあったとします。寄生素子の影響であることはなんとなくわかっているのですが、どう調べたら良いか分からないこともあると思います。そんな時、S11が原因究明の手助けになってくれます。
まずLSIの等価モデルを想定します。上の図の様に最も簡単なものを使い、インダクタL0はボンディングワイヤーを、コンデンサC0はPADと入力トランジスタの寄生容量を等価するものとします。
PAD容量や入力トランジスタの寄生容量はデバイスの特性なので、デザインマニュアルなどを参照すればある程度の数字を得ることができると思います。問題なのはインダクタで、ボンディングワイヤーの長さ(特にループになっている分)や、PKGの端子がどの程度のインダクタになっているかを知るには骨が折れます。
上の回路で、Cp=1pFとしてインダクタLpを変化(2n, 5n,10n,20nH)させたときのS11を計算した結果を下に示します。
図 4
S11の全反射する周波数で、ピーキングが発生していることが分かります。
このまま過渡解析をしてみると・・・
図 6
LSIの入力波形には大きなリンギングは現れていません!
つまり、このLSIを評価するときに、LSIの端子Vinをプローブで観測しても上の図の様に“少しリンギングが有るけど、エラーするほどではないので、入力部には問題はない”と済ましてしまうと、永遠にエラーするなぞが分からないままになってしまいます。
簡易的でも、入力部の等価モデルとS11の測定結果を比較することで、実測できない内部の波形を推定することが出来ます。
ところで、LVDSなどの高速インターフェースでは整合抵抗をLSIの中に搭載することが一般的です。上の回路例では、整合抵抗R0はLSIの外部に実装していますがこれをLSI内に移動した場合の効果はと言うと・・・
図 7
図 8
図 9
その効果が圧倒的なのは波形(図5が外部整合、図9が内部整合)を見れば一目瞭然です。
インピーダンス整合用の抵抗R0は、終端抵抗とも呼びます。そこ場所で今までの伝送路が終わるのでこの名前なのだと思うのですが、やはり終端抵抗は最後につけないとその効果が出ないと言うことだといってしまえばそうなのですが・・・寄生容量やインダクタや伝送路のミスマッチ、歪を全て背負って、終端する抵抗って偉いと思うのです。
次回はこのSパラメータと他のパラメータの関係について紹介していきたいと思います。

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