2011年6月アーカイブ
http://www.microwaves101.com/encyclopedia/sparameters.cfm
図 1
図 1の様に回路網に対して左から入力される信号と出て行く信号、また右側にも入力される信号と出て行く信号が定義されています。つまり、右側も左側も進行波と反射波を考えているという事になります。
(注:図でa1とb1は別の端子に成っていますが実際は一つの信号線です。入力される信号と出てくる信号を区別するために2本に分かれているだけです)
私がSパラメータ(以下Sパラ)に出会ったのはHP(Hewlett Packard)のネットワークアナライザーに触ったときでした。高価な測定器だったので、めったに触ることが出来成ったのですが、どうしても満足いく特性が得られず“Sパラを測定してみろ”と先輩に言われて恐る恐る触ったのがきっかけでした。
横軸が周波数になっている測定器との始めての出会いでした。
SパラのSはScattering(散乱)からきています。
何が散乱しているのかと言うと・・・
Wikipedia(http://ja.wikipedia.org 『Sパラメータ』)に依れば、
と書いてあり、散乱行列と言うのを使うので、Sパラと呼ぶのだと分かります。
正直いうとSパラは私にはまだ分からないことの方が多いです。
SPICEでは電圧や電流を扱うことに慣れているのですが、なかなか電力の方向まで扱うことが少ないため、イメージがつかみにくい事が原因ではないかと思います。
そこでSPICEでSパラを扱うことが出来る回路を紹介したいと思います。
図 2
上の回路は端子PORTに接続された回路網のS11を計算して端子S11に出力してくれる回路です。
回路網で発生している電圧(端子PORTの電圧)を依存電源E0で検出し、信号源インピーダンスR0で発生している電圧を依存電源E1で検出して、前者の電圧から引いているだけです。
図 3
今まで使っていた伝送路のS11を計算してみましょう。終端抵抗の値Rtmは50Ωです。
図 4
低周波ではS11は低い値を保っています(つまり、反射が少ない)が、高周波に成ると
終端抵抗と並列に入っているコンデンサC0(10pF)の影響でS11が増加します。
図 1から
と表されます。もし、a2=0ならば(つまり、回路網の右側から電力が入力されない時)
D-CLUEは今月、第9期を迎えることができました。これも変わらぬお客様のご愛顧と、様々なパートナー様のご協力/ご支援のたまものと、厚く御礼申し上げます。
どんなに優れた技術やどんなに大きなビジネスでも、支えるのは人と人との関わりです。
この第9期は、ご愛顧頂いた感謝の気持ちを情熱に変え、お客様にさらに感動していただくことで、恩返しをさせていただければと思っております。
なお一層の御引き立てを、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
今年も恒例の社内旅行(沖縄)に行くことができました。
これもひとえに社長を初め、様々な準備を自発的に進めていただいたスタッフの皆さんのお陰です。本当にありがとうございました。
今年はちょうど梅雨入りと重なっていたため、天気が心配されましたが、強力な晴れ男がいるためか、梅雨の晴れ間のすごい良い天気となりました。
一通りの見学の後の出来立てのオリオンビールは格別でした。
恒例の大宴会です。今年も島歌ライブで全員が大いに盛り上がりました。
人と人が同じ場にいて、同じ音楽を聴いて、同じ空気を吸って、同じ時間を過ごして、同じ事に感動して・・・この“ライブ”こそが心を満たして、更に団結を深くしてくれます。
前回までは“反射”がどの様に波形に影響を与えるか過渡解析を使って説明をしてきました。今回は小信号解析(AC解析)も使ってもう少し反射について説明したいと思います。
“反射”と言うと進行する波と反射する波があり、それらが重なり合うので、なんとなく線形解析が出来ないような気がするのですが、どうなるか確認してみたいと思います。
図 2
17MHz辺りでピーキングが発生して、それが繰り返されているように見えます。
横軸をリニアに変更した結果を下に示しました。
図 4
周波数特性でピークと成る周波数は伝送路の中に入れると、“腹”が反対側に表れ、反対に谷となる周波数は、“節”が伝送路の反対側に現れる法則があるようです。
ときどき“反射の影響が出るのはどのくらいの周波数からか?”と聞かれることがあるのですが“伝送路長が4分の1波長になる周波数からかな”と、答えていました。
が図 4を見ると、
“伝送路長が8分の1波長になる周波数から。場合に依っては16分の1波長から”と答えないといけなかった事が分かってしまいました(大汗)
例えば、10cmのストリップラインをFR-4基板に引いたときは・・・
この各周波数成分に下の周波数特性を掛け算して・・・
その結果を逆フーリエ変換すると・・・下のような波形になります。
図 5
同じ事を過渡解析で計算してみると、
図 6
と成って、ほぼ同じ波形を得ることができました。注目すべきは、1個目のパルスです。
周波数特性+逆フーリエ変換を使った結果では1個目のパルスから歪んでいますが、過渡解析は最初のパルスは歪んでいません。どちらの結果を信じれば良いのでしょうか。
ひずみが発生する原因は多重反射です。パルスが伝送路内に入ってまだ時間が経過してない間は多重反射が起きていない(反射がまだ発生していない)ので、最初のパルスは歪まずに到達できるのです。この辺まで計算してくれる過渡解析の方がより現実に近い計算結果を示していると言えます。
しかし、過渡解析には時間がかかります。伝送路が複雑になると指数関数的に計算時間が増えていきます。反面、周波数特性(AC解析)+逆フーリエ変換は伝送路の複雑でも殆ど計算時間は変わらないです。最初のパルスを無視すれば、十分使えるのではないかと思います。
今回は“反射”を過渡解析を使わないで計算する方法を紹介しました。
次回は、反射+線形解析となると避けては通れないSパラメータに触れたいと思います。
