<ISSCC2009>

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今回は、予定を変更して「ISSCC 2009」をレポートしたいと思います。

ご存知の方が多いと思いますが、ISSCCはInternational Solid State Circuits Conference の略でIEEEが主催する国際会議の中で最も有名な会議ではないでしょうか。世界中のLSIに関わる全てエンジニアにとって晴れ舞台でもあり、戦場でもあります。今年は2月8日(日)~2月12日(木)の5日、いつものSan Francisco Marriott Hotelで開催されました。

僕と弊社の若いエンジニア1名がサンフランシスコ国際空港(SFO)に着いたのは、2月8日(日)の朝でした。

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空港の地下鉄乗り場(写真左)から市街地まで乗り換えなしの約30分です。

 

 

 

 

20090223_2_misaizu.jpg参加するセッションが夕方からなのでホテルにチェックインし、しばしサンフランシスコの市街を散策。
ご存知のように、坂道とケーブルカーで有名な街です。

 

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フィッシャーマンズワーフのクラムチャウダーは、そのボリュームだけでなく美味でも有名です。
お腹が膨れたところで、ISSCCの会場へ・・・
 

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このエスカレータの下のホールが会場です。

29のセッションが、5つの部屋に分かれて開催され、各セッションに8件のプレゼンがあります。なので、イブニングセッションやフォーラムなどを合わせると、300件近いプレゼンやパネルディスカッションが、5日間にわたり繰り広げられます。


オープニングセッション(招待講演):
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2Dから3Dへ(左)
CMOSの微細化が進むにつれて電源電圧が下がる(下げないと壊れてしまう)が、トランジスタのVthは下がらないので、CMOSの微細化はもう限界との感がありました。つまり、電源が0.7VでVthも0.7Vではトランジスタは動作できません。
しかし、トランジスタをビルのように立体的に作る「FinFET」はこの問題を解決できると・・・11nmプロセスの世界です。

確かに、今までのトランジスタは平面に構成されていたので、サイズ(L/W)が変わると一緒に寄生素子も変化して、これが高速化などの高性能化を妨げていました。しかし、立体的にトランジスタが作れれば寄生素子のつき方がまったく異なってくるので寄生素子の呪縛から逃れられると言う事です。CMOSプロセスが2次元から3次元への離陸を始めていると痛感しました。

 

パッション(右)
アメリカを中心にドイツや日本のエンジニア人口が頭打ち(ジリ貧)となっているのに対し、インド、中国のエンジニアは急速に増えてきている。アンケート(US内?)に寄れば、エンジニアのイメージは他の業種に比べると悪く、苦労している割には報われない(収入が少ないし、社会的に認められないなど)ので子供はエンジニアに成ろうとしなくなってきているのでは?と嘆いていました。エンジニアリングがいかに楽しくてすばらしい事なのかを子供たちに示すには、理論や知識の左脳だけを使うのではなく、本能や情熱(Passion)の右脳を使うことが必要だと、力説していました。

日本のエンジニアのイメージはそんなに悪くないと思うのですが、右脳がキーとなっている事には同感です。左脳だけでは今までの延長線上の設計に留まってしまうのですが、右脳を使うことで直感や新しい発想が生まれ、不可能を可能に出来るのかなと思います。どうすれば、右脳を使うように成れるかと言うと・・・自分の設計するLSIを好きになるのが一番です。

 
ペーパーセッション:

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プレゼン中は写真禁止です。

 

エコロジー
高効率化、低消費電力などのキーワードが目立っていました。世界的に”エコ”がさけばれている事を反映していると思います。

  • RFIDの整流器に同期式のSWと寄生容量をキャンセルするインダクタをつける事で従来の6倍の効率を達成。
  • 出力檀の貫通電流をGNDに逃がすのではなく、1次側電池に戻して効率を上げるAC/DCコンバータ。
  • TEG(Thermal Electric Generation に特化し、様々な変動に対して常に最高効率を保つDC/DCコンバータ。


オーガニック
印刷できる/フレキシブルなどの特長を生かし、RFIDへの適用に関するものが多く、その性能も普通のCMOSに肉薄してきています。しかし、歩留まりが悪いためか、まだまだ高価との事。

  •  WORM(Write Once Read Many)のメモリを搭載。動作電圧24VのRFID。
  •  13.56MHzの受信部分(整流器)も内蔵したRFID。150Hzの発信器が12ヶ月連続動作。 

 

電力通信
インダクタのトランス結合を利用した、非接触の電力供給+通信の医療分野への適用例に多くの人が集まっていました(立ち見もあり)。

  • Drug Delivery Device。薬が入っているセルにRFIDが入っていて、リモートで指定したセルを熱で破り薬を投与する。
  • 体に貼ったRFIDから体温などの情報をとる。ATR(Adaptive Threshold Rectifier)で整流回路の効率Up。
  • 体内デバイスへの電力供給+通信。Tx/Rxの自動Tuningで体内のアンテナを小型化。

 

オーサーインタビュー
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プレゼンの後の質問コーナーで質問が出来なかった場合は、夕方5時くらいからのAuthors Interviewで発表者に直接質問が出来ます。その日の全てのプレゼンをした筆者がセッションごとに丸テーブルに座って、質問を受けるコーナーですが、
筆者を探す人や、順番待ちの人、その場で議論をし始めてしまう人などでごった返しています。

 

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私も質問を(汗)・・・
誰も質問に来なくて暇な人や、列が出来てしまう人などいろいろです。”発表では言わなかったけど、実は・・・“なんて話も出てきたりします。

ISSCCはLSIの回路設計に関わる全ての人にとって何か特別な場所のような気がします。国や言語や会社を超えて、回路図とレイアウト図、実測結果を武器に、エンジニアの“本質”を戦わせる舞台である事に間違いないと感じた5日間でした。

最後に、100年に一度といわれる世界的不況の中、出張を快諾してくれた石川社長と、出張中の通常業務のフォローをしてくれた仲間たちに深く感謝いたします。

次回は、「エミッタ接地やソース接地の増幅器」の予定です。

 

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このページは、dclueblogが2009年2月23日 16:34に書いたブログ記事です。

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