2008年10月アーカイブ

<負帰還(その3)>

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満月がきれいに見える季節になってきました。
“月にはウサギがいて、餅を搗いている”というのは日本の話で、月にいる“なにか”は国によって違うようです。
でも気になるのは世界のどの国に行っても、そしていつ見ても、“月の模様は同じ”なのです。
つまり、月はいつも地球に同じ面を向けているって事なのですが・・・それは月の自転周期と公転周期はまったく一緒で、クオーツ時計よりはるかに高い精度でずれることなく、地球の周りを何万年(何億年?)も回り続けているって事になります。

すごく不思議だと思いちょっと調べてみました。
実は、月の重心は中心からちょっとだけずれていると言う説を見つけました。
だから、引力で重い側が地球のほうに向いた状態で安定していると・・・納得です。

地球が空気や水が在って生命にあふれている天体であることが既に奇跡なのに、月も稀有な天体だったとは知りませんでした。
もし重心がずれてなかったら“かぐや姫”は生まれなかっただろうし、月見団子も食べられなかったと思うと、宇宙の神秘と奇跡に感謝です。

 

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少し間が開いてしまいましたが、今回は前回触れなかった「ゲイン余裕」とか「位相補償」について話してみたいと思います。

まずは「ゲイン余裕」が無い場合、どんなことが起きるかを紹介します。

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上のボード線図は、位相余裕は90°以上あり十分ですが、ゲイン余裕は9dB程度しかない状態です。

この状態で出ループを閉じてアンプの入力=>出力の周波数特性を見ると、ゲイン余裕が少ない周波数(この例では2MHz以上)にピーキングが発生します。

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 アンプの出力波形は、一見よさげに見えますが、拡大してみると・・・

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ゲイン余裕が確保できているときの波形(赤色)に対して、ゲイン余裕がないときの波形(青色)は歪んでしまっています。

現実の回路では、ゲイン余裕だけがなくなるケースは少ないため位相余裕の方に注意が行きますが、ゲイン余裕も目を配らないと後で痛い目を見ます(汗)。


続いて位相補償について触れたいと思います。

 

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たいていの負帰還回路は上の様な構成になっています。制御したい成分を“検出回路”で検出し、目標値と比較した後、平滑化して元のアンプの反転入力に戻します。平滑化は無くてもすむ場合もありますが、帰還回路で発生した雑音を除去するためにLPF(Low Pass Filter)を入れるケースがほとんどです。

出力電圧の平均をある値に制御する(一致させる)ときなどは、平均値を検出するためにLPFを使います。このような場合、検出回路と平滑回路の両方に位相が遅れ、位相余裕がなくなりループが不安定になり、リンギングが発生します。

これを改善するためには平滑回路と(平均値)検出回路の時定数を“大きく離すこと”が有効です。

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青の線の場合は、2桁しか時定数に差が無いのですが、赤の線では、4桁の落差を時定数につけています。

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時定数に落差をつけることで、リンギングはなくなります・・・しかし、収束するのに時間がかかるようになってしまいます。

別の方法で、位相余裕を改善するには“位相戻し”回路を使う方法があります。

 

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上は普通の平均値検出回路(単なるRCのLPFです)ですが、下は位相戻し回路を追加した平均値検出回路です。
抵抗R2が追加されただけなのですが、R2とC1が微分回路になっているため位相が進み、遅れていた位相を補正することが出来ます。

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位相戻し回路が入った赤線は位相余裕も多く確保できていて、リンギング量が少なくなっていることが分かります。

位相補償の方法として“時定数を大きく離す”、“位相戻し回路を入れる”の2種類を紹介しましたが、後者のほうが応答速度(収束)を遅くすること無く安定動作をするので広く使われています。

負帰還回路を安定動作させるためには”位相が0°の時に利得を正にしないこと“ が基本なので位相補償のやり方は様々ですが、負帰還回路に共通して言えるポイントは以下の2点です。

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会社や組織をうまく機能させるコツも負帰還回路と一緒で、“情報を迅速に集めて、的確に判断し、じっくりと実施する”こと、すなわち、“位相余裕を確保すること”ではないかと思います。

次回はPLLの話を始めたいと思います。